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代理店と手数料

広告アカウントの所有権は誰のもの?代理店名義の確かめ方と移管

藤井 俊祐

監修 藤井 俊祐(株式会社TUKURO 代表取締役)

公開 2026.10.16/更新 2026.10.18・約6分で読めます

この記事の結論

広告アカウントは、広告主が自社で所有し、代理店にはアクセス権だけを渡す形が基本です。Google広告では自社の Google アカウントに管理者の権限があるか、Meta広告では自社のビジネスポートフォリオが広告アカウントを所有しているかで確かめます。代理店名義のままだと、代理店を変えるときに過去のデータや自動入札の学習を引き継げないことがあるため、早めに確かめておくことが大切です。

代理店を見直そうとしたときに、「広告アカウントが代理店のもので、引き継げないと言われた」と分かることがあります。広告アカウントには、過去の成果のデータや自動入札の学習がたまっています。この記事では、Google広告とMeta広告で、アカウントの所有を確かめる方法と、自社で持つための手順をまとめます。

広告アカウントは広告主が所有し、代理店にはアクセス権を渡すのが基本

広告アカウントは、広告主が自社で所有し、代理店にはアクセス権だけを渡す形が基本です。こうしておけば、代理店を変えても、アカウントと過去のデータは手元に残ります。

代理店名義のアカウントで困りやすいのは、次の3点です。

困ること理由
過去のデータを持ち出せない成果の履歴やレポートが代理店の側に残る
自動入札の学習が消える新しいアカウントでは、学習が一からやり直しになる
計測の設定を作り直すコンバージョンやオーディエンスの設定を一から作ることになる

代理店がアカウントを作ること自体は珍しくありません。大事なのは、作ったあとに自社が所有する形になっているかどうかです。

Google広告で所有を確かめる方法

Google広告では、アカウントに対する権限は「ユーザー」と「マネージャー アカウント(MCC)」の2つの経路で持たれます。

ユーザーの権限

アカウントの「アクセスとセキュリティ」で、誰がどの権限を持っているかを確かめられます。権限には、管理者・標準・読み取り専用・メール専用などの種類があります。自社の Google アカウントに「管理者」の権限があれば、ユーザーの追加や削除を自社で行えます。

マネージャー アカウントとのリンク

代理店は一般的に、自社のマネージャー アカウント(MCC)に広告主のアカウントをリンクして運用します。Google の資料では、1つの広告アカウントは最大5つのマネージャー アカウントにリンクできるとされています。リンクはマネージャー アカウントの側から依頼し、広告アカウントの側が承認する仕組みです。

確かめる手順

Google広告で確かめる4つのこと
  • 自社の Google アカウントで広告アカウントにログインできるか
  • 『アクセスとセキュリティ』で、自社のユーザーの権限が『管理者』か
  • 同じ画面で、どのマネージャー アカウントにリンクされているか
  • お支払いの設定が自社の名義か、代理店の請求にまとめられているか

Meta広告で所有を確かめる方法

Meta広告(Facebook・Instagram 広告)では、広告アカウントやFacebook ページ、Instagram アカウント、ピクセル(データセット)などの資産を、ビジネスポートフォリオ(旧ビジネスマネージャ)で管理します。

資産の持ち方には「所有」と「パートナーとしてのアクセス」の2つがあります。代理店に権限を渡すときは、自社のビジネスポートフォリオから、代理店のビジネスIDを指定して「パートナー」としてアクセスを共有するのが一般的です。この場合、代理店がフルの権限を持っていても、資産の所有者は自社のビジネスポートフォリオのままです。

確かめる手順

  1. 自社のビジネスポートフォリオの「ビジネス設定」を開きます
  2. 「アカウント」の「広告アカウント」で、対象のアカウントが一覧にあり、所有していると表示されるかを確かめます
  3. 「パートナー」で、代理店がどの資産にどの権限を持っているかを確かめます
  4. ピクセル(データセット)やFacebook ページ、Instagram アカウントも同じように確かめます

広告アカウントの所有をビジネスポートフォリオの間で後から移すのは、Google広告ほど簡単ではありません。代理店のビジネスポートフォリオが所有している場合は、代理店に協力してもらい、Meta ビジネスヘルプセンターの最新の手順で移せるかを確かめながら進めます。移せない場合は、自社で新しい広告アカウントを作り、計測の設定から積み直すことになります。

代理店名義から自社に移す手順

代理店名義だと分かったときは、次の順で進めます。

代理店名義から自社に移す6つの手順
  1. 1

    契約書を確かめる

    アカウントやデータの所有、契約終了後の扱いについての取り決めを確かめます

  2. 2

    代理店に相談する

    『社内でも状況を見たい』『将来の体制のために自社で持ちたい』と目的を伝えます

  3. 3

    Google広告を移す

    自社の Google アカウントを管理者として招待してもらい、承認します。お支払いの設定も自社に切り替えます

  4. 4

    Meta広告を確かめる

    所有を移せるかを代理店と確かめます。難しい場合は、自社のビジネスポートフォリオで新しいアカウントを作る時期を決めます

  5. 5

    計測の資産も確かめる

    GA4、Google タグ マネージャー、コンバージョンの設定、Meta ピクセル、コンバージョンAPI(CAPI)が誰のアカウントにあるかを確かめ、自社のものにします

  6. 6

    権限を整理する

    代理店には、運用に必要な権限だけを渡す形に整えます

順番で大事なのは、契約書の確認と代理店への相談を先に済ませることです。いきなり権限の変更を頼むと、代理店の側も社内の確認に時間がかかり、話が進みにくくなります。目的と時期を先に共有しておくと、移す作業そのものは短い期間で終わることが多くなります。

代理店との関係を続ける場合でも、所有を自社に移しておけば、運用はこれまでどおり任せられます。所有を移すことは、代理店を変えることと同じではありません。

権限の持ち方の早見表

自社と代理店で、どの権限を持つのが一般的かをまとめます。

対象自社代理店
Google広告のアカウント自社の Google アカウントに管理者の権限マネージャー アカウント(MCC)からのリンク、または運用に必要な権限
Google広告のお支払い自社のお支払いプロファイル(立て替えの契約でない場合)必要に応じて閲覧
GA4・Google タグ マネージャー自社のアカウントで所有し、管理者の権限必要な範囲の編集・閲覧
Meta の広告アカウント自社のビジネスポートフォリオで所有パートナーとしてのアクセス
Meta ピクセル(データセット)自社のビジネスポートフォリオで所有パートナーとしてのアクセス
Facebook ページ・Instagram アカウント自社のビジネスポートフォリオで所有広告の配信に必要な権限

退職した社員の個人アカウントだけが管理者になっている、という状態にも気をつけてください。管理者の権限は、会社のメールアドレスの Google アカウントなどで、2人以上に持たせておくと安心です。

これから代理店に頼む場合の決め方

新しく代理店に運用を頼む場合は、最初に次のことを決めておくと、後で困りません。

よくある失敗と防ぎ方

所有の確認や移管でつまずきやすい場面を、あらかじめ知っておくと手戻りを減らせます。

よくある失敗防ぎ方
管理者が退職した担当者の個人アカウントだけで、誰も権限を変えられない会社のメールアドレスのアカウントで、管理者を2人以上にしておく
広告アカウントは自社に移したが、コンバージョンのタグが代理店の Google タグ マネージャーに残っていた広告アカウントと一緒に、GA4・タグ マネージャー・ピクセルの持ち主も一覧にして確かめる
代理店との契約が終わる直前に話を始め、引き継ぎが間に合わない契約の更新月の2〜3か月前を目安に、所有と権限の確認を始める
Meta広告で新しいアカウントを作ったが、ピクセルを作り直したため過去のデータとつながらないピクセル(データセット)の所有を先に確かめ、移せるものは移してから新しいアカウントにつなぐ
お支払いの設定の切り替えを忘れ、広告が止まった切り替えの日を決め、新しいお支払いの設定が有効になってから旧い設定を外す

どれも、移す前に「何がどこにあるか」を一覧にしておけば防げるものです。広告アカウント、計測のアカウント、ページやプロフィール、お支払いの4つに分けて、持ち主と権限を表にまとめておくと、代理店との話し合いにもそのまま使えます。

インハウスマーケでできること

インハウスマーケは、代理店とも広告主とも利害のない第三者の立場で、インハウス化を支援しています。無料の簡易診断(10問・約5分)では、広告アカウントの所有を含む契約と資産の状態も確かめ、代理店名義や不明の場合は注意点としてお伝えします。月の広告費が1,000万円以上の企業さまには、広告アカウントを分析する詳細診断(無料)と、契約や体制の見直しを第三者として支えるインハウスコミットもご用意しています。

よくある質問

Q. 代理店が作った広告アカウントは誰のものですか?
作った経緯ではなく、権限の持ち方で決まります。Google広告なら自社の Google アカウントに管理者の権限があるか、Meta広告なら自社のビジネスポートフォリオが所有しているかを確かめてください。契約書に所有の取り決めがある場合は、それも確認します。
Q. 代理店名義のアカウントを自社に移せますか?
Google広告は、自社の Google アカウントを管理者として招待してもらえば、自社で管理できるようになります。Meta広告は、所有しているビジネスポートフォリオを後から変えるのが簡単ではないため、代理店の協力のもとで Meta のヘルプの手順を確かめながら進めます。
Q. アカウントを作り直すと何が困りますか?
過去の成果のデータ、自動入札の学習、品質に関わる実績、除外キーワードなどの設定を一から積み直すことになります。成果が戻るまでに時間がかかることがあります。
Q. 代理店に閲覧権限を求めても失礼になりませんか?
失礼にはなりません。広告主が自社のアカウントの状況を見られるのは自然なことで、閲覧権限を出すのは一般的な対応です。

参考にした公式の情報

藤井 俊祐

この記事の監修

藤井 俊祐株式会社TUKURO 代表取締役

サイバーエージェントで年間売上200億円規模の広告事業の部署を統括。デジタルマーケティングの経験は15年以上、累計100サービス以上を支援。いまは広告運用のインハウス化を第三者の立場で支援している。

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