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代理店と手数料

広告代理店の見直し・変更のタイミングは?判断の基準と手順

藤井 俊祐

監修 藤井 俊祐(株式会社TUKURO 代表取締役)

公開 2026.10.16/更新 2026.10.18・約6分で読めます

この記事の結論

広告代理店の見直しは、成果の停滞が数か月続くとき、広告費が大きく増えたのに手数料の条件が変わらないとき、社内から広告アカウントの状況が見えないときに検討するのが目安です。見直しは「変える」だけでなく、条件の見直し・併用・内製化も含めて比べます。切り替えるときは、広告アカウントの所有と計測の引き継ぎを先に確かめると、成果を落とさずに移れます。

「今の代理店のままでいいのか」。この問いは、成果が落ちたときだけでなく、広告費が増えたとき、担当者が替わったとき、経営から費用の説明を求められたときにも出てきます。この記事では、広告代理店の見直しを考えるタイミングと、変える・残す・併用するの判断基準、切り替えの手順をまとめます。

代理店の見直しを考える5つのタイミング

見直しを検討するのは、次のような状態が続いているときです。1つあてはまるだけで変える必要はありませんが、2つ以上重なる場合は、一度立ち止まって比べてみる価値があります。

タイミング状態の例
成果の停滞が続くCPA(獲得単価)やROAS(広告費用対効果)が、3か月以上改善しないまま
広告費が大きく増えた予算が倍になったのに、手数料の料率や作業範囲が変わっていない
状況が見えない広告アカウントの閲覧権限がなく、レポートの数字しか知らない
提案が出てこない定例会が数字の報告だけで、次に何をするかの話がない
社内の体制が変わった広告に詳しい人が入った、または内製化の方針が決まった

「成果が悪い」だけで判断するのは早いことがあります。商品の価格、ランディングページ、競合の出稿、計測の設定など、運用の外にある原因も多いためです。

まず原因を切り分ける

見直しの前に、成果の停滞がどこから来ているかを確かめます。原因によって、打つ手が変わります。

  1. 計測
  2. 市場
  3. サイト
  4. 運用
  5. 連絡
原因を切り分ける順番。手間の少ないものから確かめる
  1. 計測を確かめる:コンバージョンの設定が変わっていないか、タグが外れていないかを見ます。GA4(Google アナリティクス 4)と広告の管理画面の数字が大きくずれていないかも確かめます
  2. 市場を確かめる:季節の変動や競合の出稿で、クリック単価が上がっていないかを見ます
  3. サイトを確かめる:ランディングページのコンバージョン率が落ちていないかを見ます
  4. 運用を確かめる:変更履歴で、入札・予算・広告文・除外キーワードにどれだけ手が入っているかを見ます
  5. 連絡を確かめる:こちらの事情(在庫、価格、キャンペーン)を代理店に伝えられているかを振り返ります

変える・残す・併用するの判断基準

見直しは「代理店を変える」だけではありません。次の4つを並べて比べます。

選択肢向いている場合
今の代理店で条件を見直す運用の質に大きな不満はなく、費用や連絡の仕方に課題がある
別の代理店に変える原因を伝えても改善が見られない、得意な媒体や業種が合わない
代理店と社内で併用する社内に担当者がいて、一部の媒体や作業なら引き取れる
内製化(インハウス化)する広告費が大きく、社内に担当者を置ける、事業の判断と運用を近づけたい

代理店に任せた方がよいのは、社内に広告の担当者を置く余力がない場合や、広告費がまだ小さく、人を雇うより手数料の方が安くつく場合です。逆に、広告費が大きく、手数料の総額が社内の担当者の人件費を上回る場合は、併用や内製化も比べる価値があります。

変える前に、今の代理店と話す

見直しを考えたら、まず今の代理店に率直に相談するのがおすすめです。不満の原因が、連絡の頻度、レポートの中身、作業範囲のあいまいさにある場合は、話し合いだけで解決することがあります。

話し合いでは、次のことを伝えると具体的に進みます。

  1. 何に困っているか:「成果の停滞の理由が分からない」「提案が少ない」など、事実として伝えます
  2. どうなってほしいか:「月に1つは検証を提案してほしい」「閲覧権限がほしい」など、期待をはっきりさせます
  3. いつまでに判断するか:「3か月後にもう一度成果を見て判断したい」と期限を伝えます

期限を決めて改善を待ち、それでも変わらない場合に切り替えに進めば、社内でも説明がしやすく、代理店にとっても納得のいく進め方になります。

見直しのスケジュールの目安

切り替えまでの流れは、次のような順になるのが一般的です。期間は契約や体制によって変わります。

時期やること
最初の1か月原因の切り分け、契約とアカウントの所有の確認、今の代理店との話し合い
2〜3か月目改善の様子を見る。並行して、次の候補(代理店・社内の体制)を比べる
判断の月解約の予告期間に間に合うように、続けるか変えるかを決める
切り替えの1〜2か月新旧の体制を重ねて引き継ぐ。計測と権限を整理する

代理店を切り替える手順

変えると決めた場合は、成果を落とさないよう、次の順で進めます。

代理店を切り替える6つの手順
  1. 1

    契約を確かめる

    解約の予告期間、最低契約期間、違約金、成果物の権利を契約書で確かめます

  2. 2

    広告アカウントの所有を確かめる

    Google広告・Meta広告のアカウントが自社のものか、代理店のものかを確かめます。代理店の名義なら、引き継げるかを先に相談します

  3. 3

    計測の資産を確かめる

    GA4、Google タグ マネージャー、コンバージョンの設定、Meta ピクセルやコンバージョンAPI(CAPI)の設定が、誰のアカウントにあるかを確かめます

  4. 4

    新しい体制を決める

    次の代理店、または社内の担当者を決め、引き継ぎ期間を重ねます

  5. 5

    引き継ぐ

    運用の方針、過去の検証の結果、除外キーワードの考え方などを、文書で受け取ります

  6. 6

    権限を整理する

    引き継ぎが終わったら、前の代理店の権限を外します

自動入札は過去のコンバージョンのデータで学習しています。同じ広告アカウントを使い続けられれば、切り替えの影響を小さくできます。アカウントを作り直すと学習がやり直しになり、成果が戻るまでに時間がかかることがあります。

見直しで失敗しやすい点

次の依頼先を比べるときに聞くこと

別の代理店や支援会社を候補にする場合は、今の代理店で困ったことが繰り返されないよう、同じ物差しで比べます。見積もりの金額だけで決めると、作業範囲や連絡の仕方の違いが後から分かることがあるためです。

比べる点聞くことの例
費用手数料の計算の基準、最低手数料、広告費が増えたときの料率
作業範囲手数料に含まれる作業と、別料金になる作業
運用の見え方閲覧の権限を出してもらえるか、変更の記録をどう共有するか
提案の仕方定例会で、数字の報告のほかに次の検証の提案があるか
引き継ぎ今のアカウントをそのまま使って運用を始められるか
将来の体制社内の担当者と作業を分ける、一部を社内に移すといった形に応じられるか

今の代理店との話し合いで出た不満を、そのまま質問に置き換えると、比べる点が自社に合ったものになります。答えは書面やメールで受け取り、候補ごとに並べて比べると、社内で決めるときの資料にもなります。

あわせて、候補の会社に今のアカウントの閲覧の権限を一時的に渡し、どこから手をつけるかの考えを聞く方法もあります。提案の中身が具体的か、こちらの事情を聞いたうえで話しているかを見ると、運用が始まったあとの進め方を想像しやすくなります。権限を渡す場合は、閲覧だけにとどめ、比べ終わったら外すことを先に決めておきます。今の代理店との契約に、ほかの会社へ情報を見せることについての取り決めがないかも、念のため確かめておきます。

インハウスマーケでできること

インハウスマーケは、代理店とも広告主とも利害のない第三者の立場で、インハウス化を支援しています。「変えるべきか、条件を見直すべきか」を決める前に、無料の簡易診断(10問・約5分)で、いまの費用と体制から考えられる選択肢と費用の幅を確かめられます。月の広告費が1,000万円以上の企業さまには、広告アカウントを分析する詳細診断(無料)と、代理店の見直しを第三者として支えるインハウスコミットもご用意しています。

よくある質問

Q. 代理店を変えると成果は一時的に落ちますか?
落ちることがあります。自動入札は過去のデータで学習しているため、アカウントを作り直すと学習がやり直しになります。今のアカウントを引き継げれば、影響は小さくできます。
Q. 代理店を変える前に、今の代理店に相談すべきですか?
多くの場合、相談する価値があります。不満の原因が作業範囲や連絡の頻度にあるなら、条件の見直しだけで解決することもあります。相談しても変わらない場合に、切り替えを検討します。
Q. 見直しに向いている時期はありますか?
繁忙期や大きなキャンペーンの直前は避けるのが一般的です。契約の更新月と解約の予告期間から逆算して、引き継ぎに2〜3か月とれる時期を選ぶと安心です。
Q. 成果が悪いのは代理店のせいですか?
そうとは限りません。商品の価格、ランディングページ、競合の動き、計測の不具合など、代理店の運用以外の原因も多くあります。原因を切り分けてから判断することが大切です。
藤井 俊祐

この記事の監修

藤井 俊祐株式会社TUKURO 代表取締役

サイバーエージェントで年間売上200億円規模の広告事業の部署を統括。デジタルマーケティングの経験は15年以上、累計100サービス以上を支援。いまは広告運用のインハウス化を第三者の立場で支援している。

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