おすすめは「自社に合う型」で決まります
インハウス支援会社(広告運用の内製化支援)のおすすめは、会社の知名度や順位ではなく、自社の目的と体制に合う支援の型で決まります。同じ「インハウス支援」でも、運用を代わりに行うのか、教えるのか、一緒に進めるのか、道具を渡すのかで、中身が大きく違うからです。
この記事では特定の会社を順位づけせず、支援の型の違いと、選ぶときに確かめることを整理します。
インハウス支援の4つの型
インハウス支援は、大きく次の4つの型に分けられます。1社が複数の型を組み合わせていることもあります。
| 型 | 支援の中身 | 向いている会社 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 代理店型 | 運用を代行しながら、少しずつ自社に移す | まだ担当者がいない、すぐに成果を落としたくない | 運用を任せる期間が長引きやすい |
| 研修型 | 講座や勉強会で知識とやり方を教える | 担当者はいて、知識を体系的に学びたい | 学んだことを実務で使えるかは社内次第 |
| 伴走型 | 定期的な打ち合わせで、自社の判断と作業を支える | 担当者が実務をしながら判断の力をつけたい | 社内で手を動かす人と時間が必要 |
| ツール型 | アカウントを点検し、やることを知らせる仕組みを提供する | 自社で運用していて、確認の手間と見落としを減らしたい | 判断と反映は自社で行う |
ほかに、外部のプロ人材を一時的に受け入れて社内の実働を補う形や、経営者向けに体制や代理店との契約を見直す顧問の形もあります。
型の選び方の目安
担当者がいない会社は、代理店型か、外部の人材で実働を補う形から始めると、成果を落とさずに進めやすくなります。担当者がいる会社は、研修型か伴走型で判断の力をつけ、日々の確認はツール型で補う組み合わせが考えられます。どの型も、自社で判断できる範囲を広げることが目的なので、最終的な形を先に描いてから選びます。
選ぶときの7つの確認項目
型を決めたら、次の7つを確かめます。問い合わせや面談の場で、そのまま質問として使えます。
- 第三者の立場か:運用を引き受けることが前提になっていないか。代理店の手数料や契約の見直しについて、中立に話してくれるか
- アカウントとデータが自社に残るか:Google広告・Meta広告のアカウントが自社名義のままか。支援を終えたときにデータや資料を持ち帰れるか
- 卒業の基準があるか:いつ、どの状態になったら支援を終えるのかが決まっているか
- やることが具体的か:月ごとに何をするか、誰が手を動かすかが示されているか
- 料金の仕組みが明確か:月額・初期費用・最低契約期間・広告費に連動する料金の有無と計算方法
- 担当する人の経験:自社と近い業種や広告費の規模を経験しているか。担当者が替わったときの引き継ぎ
- 対応する媒体:Google広告(P-MAX を含む)、Meta広告(Advantage+ を含む)など、自社が使う媒体に対応しているか
7つのうち、あとから変えにくいのは「アカウントとデータが自社に残るか」と「料金の仕組み」です。この2つは契約書や利用規約の文面で確かめ、口頭の説明だけで判断しないようにします。
選ぶまでの流れ
支援会社選びは、型を決めてから会社を比べる順番にすると、話を聞くたびに迷うことが減ります。
- 目的を決める
- 型を選ぶ
- 情報をそろえる
- 複数社に聞く
- 小さく試す
最初に「手数料を減らしたい」「判断を速くしたい」「ノウハウを社内に残したい」のどれを一番にするかを決めます。目的が決まると、上の4つの型のどれを中心にするかが絞れます。次に、下の表の情報をそろえて、2〜3社に同じ条件で話を聞きます。最低契約期間が短い支援や、無料の診断・お試しがある支援なら、まず小さく試してから本格的に始めることもできます。試す期間には、社内の担当者が無理なく続けられるかも合わせて確かめます。
問い合わせの前に準備すること
支援会社に相談する前に、次の情報をそろえておくと、提案を比べやすくなります。
| 準備するもの | 内容 |
|---|---|
| 広告費 | 媒体ごとの月の広告費と、直近12か月の推移 |
| いまの費用 | 代理店の手数料(マージン)、制作費、ツール費 |
| 成果 | コンバージョン数、CPA、ROAS などの月ごとの数字 |
| 体制 | 広告に関わる社員の人数と、使える時間 |
| 目的 | 手数料の削減、判断の速さ、ノウハウを残す、などの優先順位 |
| 契約 | 代理店との契約期間、解約の予告期間、アカウントの名義 |
同じ情報を複数の会社に渡すと、提案の違いがはっきり見えます。
面談で聞くとよい質問
提案の資料だけでは、支援の中身の違いが見えにくいことがあります。面談では、次のような具体的な質問をすると、各社の考え方が分かります。
| 質問 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 最初の3か月で、社内の担当者は週に何時間くらい作業しますか | 社内の負担の大きさと、支援会社が手を動かす範囲 |
| 支援を終えるときは、どんな状態になっていますか | 卒業の基準と、その後に自社だけで回せるか |
| いまの代理店の契約について、どう考えますか | 第三者として中立に助言してくれるか |
| 成果が落ちたときは、誰が何をしますか | 責任の分け方と、判断を自社に残す姿勢 |
| 料金は、広告費が増えたときにどう変わりますか | 広告費に連動する部分の計算方法 |
答えが「状況によります」だけで終わる場合は、似た規模の会社でどう進めたかを、社名を伏せた形で聞いてみると、具体的な進め方が見えてきます。
よくある失敗
支援会社選びでよくあるのは、次のような失敗です。
- 料金の安さだけで決める:月額が安くても、社内の作業時間が想定より大きく、結局手が回らないことがあります。社内の担当者の時間もコストとして見積もります
- 目的を決めずに話を聞く:各社の得意分野に合わせて話が進み、比べる軸がぶれます。先に目的の優先順位を決めておきます
- アカウントの名義を確かめない:支援会社の名義でアカウントを作ると、支援を終えるときに過去のデータを引き継げないことがあります。最初から自社名義で作ります
- 担当者を決めないまま始める:伴走型や研修型は、社内で手を動かす人がいて初めて効果が出ます。少なくとも1人、広告を見る時間を確保した担当者を決めておきます
始めたあとの見直し方
支援会社は、契約したら終わりではなく、3か月ごとを目安に合っているかを見直します。見るのは、成果の数字だけではありません。インハウス化の目的は自社で判断できる範囲を広げることなので、社内の変化も合わせて確かめます。
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 判断の主体 | 予算や入札の変更を、社内の担当者が理由を説明して決められるようになったか |
| 作業の分担 | 支援会社が手を動かす量が、始めたころより減っているか |
| 社内の資料 | 運用の手順やレポートの作り方が、社内の資料として残っているか |
| 成果の数字 | CPA やコンバージョン数が、始める前と比べて大きく崩れていないか |
| 卒業の見通し | 最初に決めた卒業の基準に、どこまで近づいたか |
成果は広告費の増減や季節の影響も受けるため、数字だけで支援会社の良し悪しを決めるのは難しいところです。社内の担当者が自分で判断できる場面が増えているかを中心に見て、変化が見えない場合は、支援の型を変える(研修型から伴走型へ、伴走型からツール型へ、など)ことも検討します。
代理店に任せ続けた方がよい場合もあります
インハウス支援を検討した結果、いまの代理店に任せ続ける方が合う場合もあります。たとえば、社内に担当できる人がおらず採用の予定もない場合や、手数料の額が担当者の人件費を大きく下回る場合です。その場合は、代理店とのレポートの確認や、手数料の見直しから始める方法もあります。
インハウスマーケでできること
インハウスマーケは、TUKURO が第三者の立場でインハウス化を支援するサービスで、上の型でいうとツール型と伴走型にあたります。インハウスAI(月5万円〈税別〉から)は Google広告・Meta広告を毎朝点検して提案を届け、承認したものだけを反映します。インハウスプログラム(月10万円〈税別〉から)は、それにトレーナーの伴走と12か月のロードマップを加えたものです。どちらが合うかは、無料の簡易診断で目安をお出しします。


