Meta広告(Facebook・Instagram 広告)では、配信の対象を細かく決めなくても、Meta が反応しそうな人を探して配信してくれる場面が増えています。その分、成果を左右する要素として**クリエイティブ(広告の画像・動画・文章)**の比重が大きくなっています。ここでは、クリエイティブを感覚ではなく手順で改善する方法をまとめます。
クリエイティブ改善は、どこで離れているかの特定から
クリエイティブを改善するときは、まず見る人がどの段階で離れているかを特定します。広告を見てから申し込むまでを段階に分け、それぞれの指標を見ます。
| 段階 | 見る指標 | 悪いときに考えられること |
|---|---|---|
| 見られるか | 動画の再生率(数秒の再生の割合)、1,000回表示あたりの費用 | 最初の一瞬で目が止まっていない |
| クリックされるか | クリック率(CTR) | 何の広告か伝わっていない、興味を引けていない |
| 申し込まれるか | コンバージョン率、CPA | 広告とLP(ランディングページ)の内容がずれている |
クリック率が高いのにCPAが悪い場合は、クリエイティブではなく、広告とLPのずれや、LPそのものに原因があることが多いです。広告で「初回無料」と伝えたのにLPで料金の話から始まる、といったずれは、クリックした人を迷わせます。
広告の関連度診断の使い方
広告マネージャには、広告の関連度診断という機能があります。同じ対象に配信している他の広告と比べて、次の3つの順位を示します。
- 品質ランキング:見た人にとっての広告の品質
- エンゲージメント率ランキング:反応(クリック・コメントなど)の見込み
- コンバージョン率ランキング:コンバージョンの見込み
どれが低いかで、どの段階が弱いかの手がかりになります。たとえば品質とエンゲージメントは平均以上なのにコンバージョン率だけが低いなら、広告は興味を引けているが、その先で離れていると考えられます。
改善の手順
クリエイティブの改善は、次の手順で進めると、何が効いたかを残せます。
- 1
離れている段階を特定する
上の表の指標を、広告ごとに並べる
- 2
仮説を1つ決める
例:『価格を前に出すとクリック率が上がる』
- 3
変えるのは1つだけ
変える要素を1つに絞って、新しい広告を作る
- 4
同じ条件で比べる
広告マネージャのA/Bテストを使うか、同じ広告セットに並べる
- 5
結果を記録する
何を変えて、指標がどう動いたか
- 6
次の広告に使う
よかった訴求を次の広告づくりに生かす
A/Bテストの機能を使うと、配信の対象が重ならないように分けて比べられるため、結果の確からしさが上がります。ただし、比べるのに足るだけの表示とコンバージョンが必要なので、予算が小さいアカウントでは、テストの期間を長めに取ります。
比べる期間は、日数ではなく、それぞれの広告にどれだけの数字がたまったかで決めるのが実務的です。たとえば、クリック率を比べるなら表示回数、CPAを比べるならコンバージョン数が、どちらの広告にもある程度そろってから判断します。数字が少ないうちに勝ち負けを決めると、たまたまの差を訴求の差と取り違えることがあります。曜日による反応の違いもあるため、少なくとも1週間は通して見ると判断がぶれにくくなります。
何を変えると違いが出やすいか
違いが出やすいのは、**何を伝えるか(訴求の切り口)**を変えたときです。色や文字の大きさを少し変えるだけでは、見る人には同じ広告に見えることが多く、差が出にくくなります。
| 変えるもの | 例 |
|---|---|
| 訴求の切り口 | 価格/悩みの解決/使う場面/比較/手軽さ |
| 形式 | 画像/動画/カルーセル(複数の画像) |
| 冒頭の見せ方 | 動画の最初の数秒、画像のいちばん大きな文字 |
| 登場するもの | 商品だけ/使っている人/作っている人 |
| 縦横の比率 | フィード向け(正方形・縦長)/リール・ストーリーズ向け(縦長) |
配信面によって表示のされ方が違うため、リールやストーリーズにも配信するなら、縦長の素材を用意すると、面に合った見た目で表示しやすくなります。Advantage+ クリエイティブなど、Meta が素材の見せ方を自動で調整する機能もありますが、どんな素材を渡すかは運用者が決めることです。
訴求の切り口はどこから見つけるか
訴求の切り口を変えようとしても、案が出てこないことがよくあります。切り口は、社内にすでにある顧客の声から探すと、机の上で考えるより具体的なものが見つかります。
| 探す場所 | 見つかりやすい切り口 |
|---|---|
| 問い合わせや申込みフォームの自由記入欄 | 申し込む前に困っていたこと、決め手になったこと |
| 営業や店舗の担当者の話 | よく聞かれる質問、迷っている人を後押しした一言 |
| 商品のレビューやアンケート | 使ってみて気に入った点、思っていたのと違った点 |
| Google広告の検索語句 | 実際に検索している言葉、比べられている相手 |
| 成果のよかった過去の広告 | すでに反応が確かめられた訴求 |
見つけた切り口は、1つの切り口につき画像か動画を1〜2本作り、同じ条件で配信して比べます。切り口ごとに数字が出そろうと、どの悩みやどの場面に反応する人が多いのかが見えてきます。反応のよかった切り口は、LPの見出しや検索広告の広告文にも使えないかを考えると、広告全体で伝えることがそろいます。
- 冒頭の一瞬で、何の広告か分かるか
- 伝えることを1つに絞っているか
- 広告で伝えたことが、LPの最初の画面にも書かれているか
- 縦長の面に配信するなら、縦長の素材を用意したか
- Metaの広告ポリシーに反する表現がないか
- 広告の名前に、訴求の切り口と形式を入れたか
検証の結果を残す
クリエイティブの改善で差がつくのは、結果を記録して、次に生かせるかどうかです。担当が替わっても続けられるように、1本の広告ごとに次のような項目を表にしておきます。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 広告の名前 | 広告マネージャの名前と同じにする |
| 訴求の切り口 | 価格/悩み/使う場面 など |
| 形式と比率 | 画像・動画・カルーセル、正方形・縦長 |
| 配信期間 | 始めた日と止めた日 |
| 主な指標 | クリック率、CPA、コンバージョン数 |
| 分かったこと | 何が効いた・効かなかったと考えるか |
広告マネージャの広告の名前に、訴求や形式を入れておく(例:「価格訴求_動画_縦長_10月」)と、あとから並べて比べやすくなります。記録がたまると、「この商材では悩みの訴求が強い」「動画は最初の数秒で商品を見せたほうがよい」といった、自社ならではの傾向が見えてきます。
クリエイティブ改善で気をつけること
- 表現のルールを守る:Meta の広告ポリシーに反する表現(個人の特性を決めつける表現、誇大な効果の表示など)は、審査で不承認になります。不承認が続くとアカウントの評価にも影響するため、作る段階で確かめます
- 短い期間で判断しない:配信を始めてすぐは数字がぶれやすく、少ない表示回数で勝ち負けを決めると誤ることがあります
- 止めすぎない:成果の悪い広告を次々止めると、配信中の広告が少なくなり、残った広告のフリークエンシーが上がりやすくなります
また、クリエイティブを作る人と、数字を見る人が別のときは、検証の結果を作る人に戻す仕組みが要ります。月に1回、成果のよかった広告と悪かった広告を並べて見る時間を取るだけでも、次の広告の質は変わります。外部の制作会社に頼んでいる場合も、数字と分かったことを共有すると、依頼の意図が伝わりやすくなります。
広告疲れの見分け方は、Meta広告のフリークエンシーと広告疲れで詳しく解説しています。
インハウスマーケでできること
インハウスマーケのインハウスAIは、Meta広告の広告セットのクリック率の前週比やフリークエンシー、止まった広告(不承認など)を毎朝点検し、手を打つべきものを Slack・Chatwork・Google Chat・メールで提案します。どんなクリエイティブを作るか、どれを止めるかは担当者が決めます。料金は月5万円(税別)からです。


