Meta広告(Facebook・Instagram 広告)を続けていると、同じ広告への反応が少しずつ落ちていくことがあります。始めた頃はよくクリックされていたのに、数週間でクリック率が下がり、CPA(獲得単価)が上がってくる。このとき確かめたいのがフリークエンシーです。
フリークエンシーとは
フリークエンシーは、1人あたりが同じ広告を見た平均回数です。広告マネージャでは、インプレッション数(表示された回数)をリーチ(見た人の数)で割った値として表示されます。
| 指標 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| インプレッション | 広告が表示された回数 | 30,000回 |
| リーチ | 広告を1回以上見た人の数 | 10,000人 |
| フリークエンシー | インプレッション ÷ リーチ | 3.0回 |
フリークエンシーは平均なので、1回しか見ていない人と、10回見ている人が混ざっています。また、期間を長く取るほど同じ人に表示される回数は増えるため、比べるときは期間の長さをそろえることが大切です。
広告疲れとは
広告疲れ(広告疲弊、クリエイティブの疲弊)とは、同じ人に同じ広告を見せすぎて、反応が落ちている状態です。見慣れた広告は読み飛ばされ、クリックや購入につながりにくくなります。Meta の配信は反応の良し悪しも考えて行われるため、反応が落ちると、同じ成果を得るための費用が上がることがあります。
広告疲れは、次の3つが同時に起きているかで見分けます。
- 頻度が上がる
- CTRが下がる
- CPAが上がる
フリークエンシーだけが高くても、クリック率やCPAが保てていれば、まだ問題になっていないこともあります。逆に、フリークエンシーがそれほど高くなくても、クリエイティブ(広告の画像・動画・文章)の内容が配信対象に合っていなければ、反応は落ちます。
フリークエンシーの見方
広告マネージャでは、キャンペーン・広告セット・広告のそれぞれの単位でフリークエンシーを表示できます。見るときは次の手順にすると、変化に気づきやすくなります。
- 1
列をそろえる
列の設定で、フリークエンシー・リーチ・クリック率・CPAを並べて表示する
- 2
期間を比べる
期間を直近7日にして、前の7日と比べる(比較の機能を使う)
- 3
広告セットを探す
フリークエンシーが上がっていてクリック率が下がっている広告セットを探す
- 4
広告を特定する
その広告セットの中で、どの広告(クリエイティブ)が落ちているかを見る
フリークエンシーが上がりやすいのは、配信対象の人数に対して予算が大きいときです。サイトを訪れた人へのリターゲティングや、地域を狭く絞った配信では、対象の人数が少ないため、同じ人に何度も表示されやすくなります。
目的によってフリークエンシーの見方は変わる
フリークエンシーをどう評価するかは、キャンペーンの目的によって変わります。
| 目的 | フリークエンシーの考え方 | あわせて見る指標 |
|---|---|---|
| 認知(ブランドを知ってもらう) | 何度か見てもらうことに意味がある。ただし見せすぎは逆効果 | リーチ、広告想起リフト(推定) |
| 獲得(購入・問い合わせ) | 上がると反応が落ちやすい。CPAとの関係で判断 | クリック率、CPA |
| リターゲティング | 対象が少ないため上がりやすい。予算とのつり合いを見る | 対象の人数、CPA |
獲得を目的にしたキャンペーンでは、Meta はコンバージョンが見込める人を探して配信します。そのため、同じ人に何度か表示されること自体は悪いことではありません。問題になるのは、回数が増えても成果が増えず、費用だけが増えているときです。
広告疲れへの対策
広告疲れが分かったら、次の順で手を打ちます。
| 対策 | やること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| クリエイティブの追加 | 訴求や見た目を変えた新しい広告を足す | 同じ広告が長く配信されている |
| 配信対象の見直し | 対象を広げる、Advantage+ オーディエンスなどで配信を広げる | 対象の人数が少ない |
| 予算の調整 | 対象の人数に見合う額まで下げる | 予算に対して対象が狭い |
| 配信の上限 | リーチ目的などで頻度の上限を決める | 認知を目的にしている |
いちばん効くことが多いのは、新しいクリエイティブを足すことです。ただし、色や文字を少し変えただけでは、見る人にとっては同じ広告に見えることがあります。訴求の切り口(価格・悩み・使う場面・お客さまの声など)や形式(画像・動画・カルーセル)を変えると、別の広告として受け取られやすくなります。
広告疲れと間違えやすい変化
クリック率が下がり、CPAが上がっていても、原因が広告疲れとは限りません。クリエイティブを入れ替える前に、次のような別の原因がないかを確かめます。
| 起きていること | 確かめること |
|---|---|
| 季節や曜日による需要の変化 | 前年の同じ時期や、前の週の同じ曜日と比べて、同じような動きがないか |
| 競合の広告が増えた | 1,000回表示あたりの費用が、フリークエンシーに関係なく上がっていないか |
| 計測の不具合 | サイトの更新のあとに、ピクセルやコンバージョンAPIのイベントが減っていないか |
| LPの変更 | クリック率は変わらないのに、コンバージョン率だけが落ちていないか |
| 配信の設定の変更 | 予算や配信対象、入札を変えた直後ではないか |
見分けのポイントは、フリークエンシーが上がっているかどうかです。フリークエンシーが変わらないのにCPAだけが上がっているなら、広告疲れより、需要や競合、計測、LPの側に原因があることが多くなります。この場合は、新しいクリエイティブを足しても改善しにくいため、先に原因の側を直します。
記録しておくと判断が速くなること
フリークエンシーの目安は商材ごとに違うため、自社の数字を記録していくことが、いちばん役に立つ判断材料になります。たとえば広告ごとに、配信を始めた日、反応が落ち始めたときのフリークエンシー、入れ替えた日を残しておきます。
何本か記録がたまると、「この商材では、獲得のキャンペーンでフリークエンシーがこのくらいになると反応が落ちやすい」「この配信対象では、新しい広告が何週間くらいもつ」といった、自社の目安が見えてきます。次の広告を用意し始める時期も、感覚ではなく記録から決められるようになります。
広告疲れを防ぐ運用
広告疲れは、起きてから対応するより、起きる前に次の広告を用意しておくほうが成果が安定します。
- 配信中の広告の数を、少なくなりすぎないように保つ
- 月に1回など、新しいクリエイティブを足す日を決めておく
- 成果のよかった訴求を記録し、次の広告づくりに使う
- 週に1回はフリークエンシーとクリック率の推移を確かめる
また、広告を止めたり入れ替えたりするときは、まとめて全部を変えないことも大切です。成果の出ている広告まで一度に止めると、配信が不安定になり、何が効いたのかも分からなくなります。反応が落ちた広告から順に、新しい広告と入れ替えていきます。
担当が兼任の場合は、点検の曜日と見る指標を決めて、手順を固定しておくと続けやすくなります。クリエイティブの改善の進め方は、Meta広告のクリエイティブ改善でも解説しています。
インハウスマーケでできること
インハウスマーケのインハウスAIは、Meta広告の広告セットごとのフリークエンシーとクリック率の前週比を毎朝点検し、広告疲れの兆しがあれば Slack・Chatwork・Google Chat・メールでお知らせします。新しいクリエイティブを足すか、配信を見直すかは担当者が決めます。AIが広告を勝手に変えることはありません。料金は月5万円(税別)からです。


