代理店から毎月届くレポートは、数字が多く、どこを見ればよいか迷いがちです。「グラフはきれいだが、結局うまくいっているのか分からない」という声もよく聞きます。この記事では、広告代理店のレポートで確かめるべき指標と、読み方のポイントをまとめます。
レポートで確かめるのは4つ
代理店のレポートは、次の4つを確かめると、運用の中身がつかめます。
| 確かめること | 見るポイント |
|---|---|
| 成果 | コンバージョン数・CPA・ROAS が目標に対してどうか |
| 費用 | 広告費・手数料・その他の費用の内訳、予算の消化 |
| 変化の理由 | 前月や前年同月から何が変わり、その理由は何か |
| 次の打ち手 | 来月何をするか、何を検証するか |
数字の一覧だけで、変化の理由や次の打ち手が書かれていない場合は、定例会で口頭で聞くか、レポートに加えてもらうよう相談するとよいでしょう。
主な指標と読み方
運用型広告のレポートでよく使われる指標を、読み方と一緒にまとめます。
| 指標 | 意味 | 読み方の例 |
|---|---|---|
| 表示回数 | 広告が表示された回数 | 急に減ったら、予算・入札・審査・配信の状態を確かめる |
| クリック数 | 広告がクリックされた回数 | 表示回数とあわせて見る |
| クリック率(CTR) | クリック数 ÷ 表示回数 | 下がったら広告文やクリエイティブの見直しの合図 |
| クリック単価(CPC) | 広告費 ÷ クリック数 | 上がったら競合や入札の変化を確かめる |
| コンバージョン数(CV) | 問い合わせ・購入などの成果の数 | 最も大事な指標の一つ。まず定義を確かめる |
| コンバージョン率(CVR) | コンバージョン数 ÷ クリック数 | 下がったらサイトや検索語句の質を確かめる |
| CPA(獲得単価) | 広告費 ÷ コンバージョン数 | 目標CPAと比べる |
| ROAS(広告費用対効果) | 広告経由の売上 ÷ 広告費 | 売上を目的にする場合の中心の指標 |
成果の指標から見る
最初に見るのは、事業の目的に直結する指標です。問い合わせを増やしたいならコンバージョン数とCPA、売上を伸ばしたいならROASを見ます。クリック率やクリック単価は、成果が動いた理由を探すための指標です。順番を逆にすると、「クリック率は上がったが、問い合わせは減った」といった状態を見落とします。
コンバージョンの定義を確かめる
レポートの「コンバージョン」に何が含まれているかを確かめます。問い合わせの完了だけなのか、資料のダウンロードや電話のタップ、ページの閲覧まで含めているのかで、CPAの意味が大きく変わります。Google広告では、どのコンバージョンを入札に使うか(メインとサブ)を設定で分けられるため、その設定もあわせて確かめます。
管理画面の数字と突き合わせる
レポートの数字は、ときどき広告の管理画面と突き合わせて確かめます。閲覧権限があれば、次の手順で確かめられます。
- 1
期間をそろえる
レポートと同じ期間(月初から月末など)を管理画面で選びます
- 2
主な数字を比べる
広告費、クリック数、コンバージョン数が一致するかを見ます
- 3
請求と比べる
広告費が、代理店からの請求書の広告費と一致するかを見ます
- 4
変更履歴を見る
レポートに書かれた『改善の作業』が、変更履歴に残っているかを見ます
広告の管理画面と GA4(Google アナリティクス 4)では、成果の数え方や帰属のさせ方が違うため、数字は一致しないのが普通です。大きくずれている場合は、計測の設定に問題がないかを確かめます。
前月比だけで判断しない
レポートでは前月比がよく使われますが、それだけで判断すると誤ることがあります。
- 季節の変動:業種によっては、月ごとに需要が大きく動きます。前年同月とも比べます
- 日数の違い:2月と3月では日数が違います。1日あたりで比べると分かりやすくなります
- 件数の少なさ:コンバージョンが月に数件の場合、1件の違いでCPAが大きく動きます。数か月の流れで見ます
- 学習の期間:自動入札の設定を変えた直後は、成果が安定しないことがあります
媒体ごとに見るポイント
同じレポートでも、Google広告とMeta広告では見るべき点が少し違います。
Google広告
- 検索語句:実際にどんな語句で広告が表示され、クリックされたかの一覧です。成果につながっていない語句が除外キーワードとして整理されているかを確かめます
- 入札の設定:コンバージョン数の最大化、目標CPA、目標ROAS など、どの自動入札を使い、目標の値をいくらにしているかを確かめます
- P-MAX(パフォーマンス マックス):検索・ディスプレイ・YouTube などにまとめて配信されるため、どこで成果が出ているかが見えにくくなります。レポートでどう説明されているかを確かめます
- 表示シェア:予算や広告ランクが理由で表示を逃している割合です。予算を増やす判断の材料になります
Meta広告
- フリークエンシー:1人あたりに広告が表示された平均の回数です。上がり続けているのにクリック率が下がっている場合は、広告の飽き(広告疲れ)の可能性があります
- クリエイティブ別の成果:どのバナーや動画が成果を出しているか、新しいクリエイティブを足しているかを確かめます
- 学習の状態:広告セットが学習中のまま止まっていないかを確かめます
- 計測の方法:Meta ピクセルに加えて、コンバージョンAPI(CAPI)で成果を送っているかを確かめます
定例会で聞くとよい質問
レポートを受け取ったら、定例会で次のような質問をすると、運用の考え方が見えてきます。
- 今月、成果が動いた一番の理由は何ですか
- 今月変えたことは何で、その結果はどうでしたか
- 来月は何を検証し、どうなれば成功と判断しますか
- こちら(広告主)に用意してほしいもの(素材・情報・サイトの改善)はありますか
代理店の担当者は、広告主の事情(在庫、価格の変更、キャンペーン)を知らないと良い提案ができません。レポートの場は、こちらから情報を渡す場でもあります。
レポートを読むときによくある見落とし
レポートの数字そのものは正しくても、読み方で判断を誤ることがあります。よくある見落としと、確かめ方をまとめます。
| よくある見落とし | 起きやすいこと | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 全体の数字だけを見る | 好調なキャンペーンが、不調なキャンペーンを隠す | キャンペーン別・媒体別の表もレポートに入れてもらう |
| 手数料を含まない CPA で判断する | 実際に払っている費用に対する獲得単価より、低く見える | 手数料を足した金額で、社内向けの CPA も計算する |
| コンバージョンの数だけを見る | 質の低い問い合わせが増えても気づかない | 社内の商談や受注の数と、月ごとに並べる |
| 目標が書かれていない | 数字が良いのか悪いのか、判断の物差しがない | 月の目標の CPA や件数を、レポートの冒頭に書いてもらう |
| 前月のレポートと見比べない | 先月約束した検証が、行われたかどうか分からない | 前月の『次の打ち手』と、今月の『変えたこと』を並べて読む |
とくに、手数料を含めた費用で成果を見ることは、代理店の費用が妥当かを考えるうえで欠かせません。広告費だけの CPA と、手数料を足した CPA の両方を並べておくと、社内で説明するときにも役立ちます。
レポートの形を変えてほしいときは、見たい表と並べる順番を1枚にまとめて代理店に渡すと、話が早く進みます。たとえば「1ページ目に目標と実績、2ページ目にキャンペーン別の表、最後に先月の約束と今月の結果」のように、読む順番で決めておくと、毎月同じ場所を見れば済むようになります。数字を集める手間が増える項目は、代理店の作業量や費用にも関わるため、必要なものから順に頼むのが現実的です。
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