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インハウスの広告運用に必要な人材とスキルは?採用と育成の進め方

加藤 健太

監修 加藤 健太(株式会社TUKURO 執行役員)

公開 2026.10.16/更新 2026.10.18・約6分で読めます

この記事の結論

インハウスの広告運用に必要な人材は、運用の実務、計測と分析、クリエイティブ、社内の推進という4つの役割で考えると整理できます。最初から全員をそろえる必要はなく、社内の推進役と運用の実務を担う人を軸に、足りない役割は外部の専門家や代理店との併用で補いながら、育成を進めるのが現実的です。

広告運用のインハウス化(内製化)を考えたとき、最初に悩むのが「誰がやるのか」です。経験者を採用するのか、社内の誰かを育てるのか、何人必要なのか。この記事では、インハウスの広告運用に必要な人材を役割に分けて整理し、採用と育成の進め方をまとめます。

インハウスの広告運用に必要な4つの役割

インハウスの広告運用に必要な人材は、運用の実務・計測と分析・クリエイティブ・社内の推進の4つの役割に分けて考えると整理できます。1人が複数の役割を担うことも多く、役割の数と人数は一致しません。

役割主な仕事求められるスキル
運用の実務入札・予算の調整、キーワードと除外キーワード、広告文の入れ替え、日々の点検Google広告・Meta広告の管理画面の操作、自動入札の理解
計測と分析コンバージョンの設定、GA4 の分析、レポート、検証の設計計測タグ、拡張コンバージョン、コンバージョンAPI(CAPI)、表計算
クリエイティブバナー・動画・広告文・ランディングページの企画と改善訴求の考え方、デザインの基礎、検証の回し方
社内の推進予算と目標の決定、他部署との調整、経営への説明事業の数字の理解、意思決定、関係者の調整

見落とされやすいのが「社内の推進」です。広告の知識がある担当者がいても、予算や目標を決める人、営業や商品の部署と調整する人がいないと、インハウス化は進みません。

運用の担当者に求められるスキル

運用の実務を担う人に求められるスキルを、段階ごとにまとめます。

基礎

実務

応用

採用と育成の比べ方

人材の確保は、採用と育成のどちらか、または組み合わせで考えます。

方法よいところ気をつける点
経験者を採用する立ち上げが早い。仕組みづくりを任せられる採用に時間と費用がかかる。事業の理解は入社後に深める必要がある
社内の人を育てる事業や商品への理解がある。定着しやすい独り立ちまで時間がかかる。教える人が要る
外部の専門家と組む必要な期間・役割だけ頼める社内に知見を残す仕組みが要る

学習に使える公式の資料

採用するときに確かめたいこと

経験者を採用する場合、職務経歴書の「運用した広告費の規模」だけでは、実力は分かりにくいものです。面接では、次のような点を聞くと、実務の考え方が見えてきます。

面接で聞きたい5つのこと
  • 成果が落ちたとき、何から確かめたか:計測・市場・サイト・運用のどこから切り分けたか
  • 自動入札をどう選び、目標の値をどう決めたか:事業の数字から逆算できているか
  • 検証の例:何を仮説に、どう試し、どう判断したか
  • 社内外との調整の経験:営業や制作、代理店とどう役割を分けたか
  • 使ってきた媒体と体制:広告主側の経験か、代理店側の経験か

代理店で運用してきた人は、多くのアカウントを見た経験と運用の手の速さが強みです。広告主側で運用してきた人は、事業の数字や社内の調整に慣れていることが強みです。どちらが合うかは、自社でいちばん足りない役割によって決まります。

役割を社内と外部に分ける例

すべてを社内でこなす必要はありません。役割ごとに、社内と外部の分け方を決めておくと体制が組みやすくなります。

役割社内に置く場合外部に頼む場合
運用の実務毎日の点検と小さな調整を社内で行う立ち上げや大きな設計の変更だけ外部に頼む
計測と分析月次の振り返りを社内で行う計測タグやコンバージョンAPI(CAPI)の設定を頼む
クリエイティブ訴求の方向を社内で決める制作の実作業を頼む
社内の推進社内に置くのが基本外部は助言の立場にとどめる

社内の推進だけは、外部に任せにくい役割です。予算と目標を決め、他部署と調整するのは、社内の人にしかできないためです。

少人数で始めるときの体制

最初から4つの役割をすべて社内でそろえる必要はありません。少人数で始めるときは、次の順で考えると現実的です。

少人数で始めるときの体制づくり
  1. 1

    社内の推進役を決める

    予算と目標を決め、他部署と調整できる人です。広告の専門家でなくてもかまいません

  2. 2

    運用の担当者を1人決める

    採用か社内の異動で、日々の運用を担う人を決めます

  3. 3

    足りない役割を外部で補う

    計測の設定やクリエイティブの制作など、社内で難しい部分は外部の専門家や代理店に頼みます

  4. 4

    手順と判断の基準を文書に残す

    毎日・毎週・毎月の作業と、判断の基準を書き出します

  5. 5

    少しずつ社内に移す

    担当者が慣れてきたら、外部に頼んでいる作業を一つずつ社内に移します

担当者が他の仕事と兼任する場合は、毎日の点検を仕組みにして、作業の時間を減らす工夫が要ります。兼任の体制については、兼任でも回る広告運用の仕組みで詳しく扱っています。

育成を進めるときの任せ方の順番

社内の人を育てる場合、何から任せるかの順番を決めておくと、担当者も教える側も迷いません。影響の小さい作業から任せ、判断の重い作業は後に回すのが基本です。

  1. 数字の確認
  2. 除外の追加
  3. 広告文の改善
  4. 予算と入札
  5. 目標の設計
任せる作業の順番の一例。前の段階が安定してから次に進みます

最初は、毎日の数字の確認と、気になる変化の報告から始めます。次に、検索語句を見て除外キーワードを足す、成果の悪い広告文を入れ替える、といった元に戻しやすい作業を任せます。予算や入札の調整、目標CPA・ROASの設計は、成果への影響が大きいため、経験者のレビューを受けながら最後に任せます。

それぞれの段階で、「どの数字を見て、どう判断したか」を担当者に説明してもらうと、知識が身についているかを確かめられます。判断の理由を言葉にできるようになったら、次の段階に進む目安になります。

人材の面でよくある失敗

インハウスマーケでできること

インハウスマーケは、代理店とも広告主とも利害のない第三者の立場で、インハウス化を支援しています。インハウスプログラムでは、トレーナーが必要な人材と育て方を一緒に考え、12か月のロードマップで社内の運用力を育てます。社内で足りない実働は、外部のプロ人材で補う方法もご案内できます。まずは無料の簡易診断(10問・約5分)で、いまの体制から合う始め方を確かめてください。

よくある質問

Q. 広告運用の経験者を採用するのと、社内で育てるのとどちらがよいですか?
一長一短があります。経験者の採用は立ち上げが早い一方、採用に時間と費用がかかります。社内の育成は事業への理解が深い人を活かせますが、独り立ちまでに時間がかかります。最初の数か月は外部の支援を受けながら、社内の人を育てる組み合わせが多く見られます。
Q. 未経験の社員でも広告運用の担当者になれますか?
なれます。Google の Skillshop など、媒体が無料で公開している学習コンテンツや認定資格で基礎を学べます。ただし、学んだ知識を実際のアカウントで使えるようになるには、経験者のレビューを受けながら手を動かす期間が必要です。
Q. 何人いればインハウス化できますか?
決まった人数はありません。広告費、扱う媒体の数、クリエイティブを社内で作るかによって変わります。小さく始める場合は、1人の担当者と社内の推進役から始め、足りない部分を外部で補う形がよく取られます。
Q. 担当者が辞めたら運用が止まりませんか?
その心配はインハウス化の大きな課題です。作業の手順や判断の基準を文書に残し、2人以上が広告アカウントを見られる状態にしておくと、引き継ぎの影響を小さくできます。

参考にした公式の情報

加藤 健太

この記事の監修

加藤 健太株式会社TUKURO 執行役員

人材業界、リサーチ会社のセールス責任者を経て、12年以上マーケティング領域に携わる。CRMマーケティングやLINE拡張ツールの法人セールスで、企業の顧客接点づくりとデータ活用を幅広く支援。スタートアップの事業拡大期も経験し、TUKUROでは執行役員として総合マーケティング事業を率いる。人材とマーケティングの両方を知る立場から、企業の課題に合う人材と施策を組み立てる。

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