インハウスマーケ
メニュー

代理店と手数料

広告費が少額だと代理店のサービスが手薄になる理由と対策

原田 真之

監修 原田 真之(株式会社TUKURO 取締役)

公開 2026.10.18/更新 2026.10.18・約6分で読めます

この記事の結論

広告費が少額だと代理店のサービスが手薄になりやすいのは、手数料が広告費に比例する一方で、アカウントの設定・検索語句の確認・広告の制作・レポート・打ち合わせといった作業量は広告費ほど変わらないからです。代理店の誠意の問題ではなく、料金の仕組みの問題です。少額の広告主は、作業範囲と担当者を確かめて代理店に頼むか、媒体の自動化とツールを使って自社で運用するか、設定だけ外部に頼む併用を選ぶと、費用に見合う運用を受けやすくなります。

「代理店に頼んでいるのに、担当者からの連絡は月1回のレポートだけ」。広告費が月数十万円の会社から、こうした声を聞くことがあります。この記事では、広告費が少額だと代理店のサービスが手薄になりやすい理由を、料金の仕組みから説明し、少額の広告主がとれる手を整理します。

少額だと手薄になりやすいのは、料金の仕組みのため

広告費が少額だと、代理店から手厚いサービスを受けにくいのは、手数料は広告費に比例するのに、作業量は広告費ほど変わらないからです。代理店に悪意があるわけではなく、定率の手数料という料金の仕組みから自然に起きることです。

運用型広告の代理店手数料は、一般的に広告費の20%前後が目安です。同じ20%でも、広告費によって代理店に入る金額は大きく変わります。

計算例月の広告費手数料(20%)年間の手数料
A社30万円6万円72万円
B社300万円60万円720万円

10倍

計算例:広告費が10倍なら、定率の手数料も10倍になる

月30万円と月300万円を料率20%で比べた計算例。作業量は10倍にはならないため、1社あたりにかけられる時間に差が出ます

作業量は、広告費ほど変わらない

広告運用の中心になる作業は、広告費の大きさにかかわらず、ほぼ同じだけかかります。

作業少額でも必要か広告費が大きいと
アカウントとキャンペーンの設定必要キャンペーンの数が増える分、やや増える
検索語句の確認と除外キーワードの追加必要語句の数が増える分、やや増える
広告文・バナーの作成と入れ替え必要試す本数が増える
成果の計測の設定と確認必要ほぼ同じ
月次レポートの作成必要ほぼ同じ
定例の打ち合わせ必要ほぼ同じ

広告費が大きいと、キャンペーンや広告の数が増え、試すことも増えるので、作業は増えます。それでも、広告費が10倍になったからといって作業が10倍になるわけではありません。

そのため、代理店の側から見ると、少額のアカウントには経験の浅い担当者を割り当てる、1人の担当者が多くの会社を受け持つ、打ち合わせを減らす、レポートを定型にする、といった形で採算を合わせることになりがちです。最低手数料を設けたり、一定の広告費に満たない依頼を受けなかったりするのも、同じ理由です。

最低手数料があると、実質の料率は上がる

少額の依頼では、最低手数料が決まっていることが多く、広告費が少ないほど実質の料率は上がります。計算例として、料率20%・最低手数料5万円の場合を見ます。

計算例:月の広告費20%で計算した額実際の手数料実質の料率
10万円2万円5万円50%
15万円3万円5万円約33%
25万円5万円5万円20%
50万円10万円10万円20%

この例では、広告費25万円が分かれ目で、それより少ないと実質の料率は20%を超えます。見積もりを比べるときは、料率だけでなく最低手数料と、自社の広告費での実際の金額を確かめてください。

少額で代理店に頼むときに確かめること

少額でも代理店に頼む場合は、手数料の範囲で何をしてもらえるかを事前に具体的に決めておくと、期待とのずれが小さくなります。

少額で代理店に頼む前に確かめること
  • 担当者の経験と、1人で受け持っている会社の数
  • 月に行う作業の一覧(検索語句の確認、広告の入れ替え、予算の調整など)と、その頻度
  • 定例の打ち合わせの回数と、レポートの中身
  • 最低手数料と、自社の広告費での実質の料率
  • 制作費や初期費用など、手数料とは別にかかる費用
  • 広告アカウントが自社名義になるか、自社に閲覧の権限があるか
  • 契約期間と、解約の申し出の期限

契約したあとは、Google広告の「変更履歴」で、どのくらいの頻度で手が入っているかを確かめられます。変更履歴では過去2年分の変更を見られます。ただし、自動入札が中心の運用では、触る回数が少ないことが正しい場合もあるため、回数だけで判断せず、何を変えたかと成果の推移を一緒に見てください。

少額でも質を上げるための、代理店との付き合い方

少額でも代理店との関係を良くするには、代理店の手間を減らし、判断に使う時間を増やしてもらうことです。手数料の総額が変わらなくても、代理店が細かな確認や資料づくりに使う時間を減らせれば、その分を運用の判断に回してもらえます。

具体的には、次のような工夫があります。

こうした準備は社内の手間になりますが、広告主が自社の事業をいちばんよく知っていることは、広告費の大小にかかわらず変わりません。少額のうちから、判断の材料を社内で持っておくことは、のちに広告費を増やしたときや、運用を社内に移すときの土台にもなります。

広告費が増えたら、契約を見直す

広告費が増えてきたら、最低手数料の範囲を抜けたか、料率や作業範囲が今の規模に合っているかを見直します。少額のときに決めた契約のまま広告費だけが増えると、今度は手数料の総額が作業に対して大きくなっていくことがあります。半年に一度など、見直しの時期をあらかじめ決めておくと、話を切り出しやすくなります。

少額の広告主がとれる4つの選択肢

少額の広告主には、代理店に頼む以外にも選択肢があります。どれがよいかは、社内の時間と計測の整い方で決まります。

選択肢向いている会社気をつける点
作業範囲を絞って代理店に頼む社内に広告を見る時間がほとんどない頼む作業と頻度を契約で決めておく
自社で運用し、媒体の自動化を使う週に数時間を広告に使える人がいる計測を整えないと自動入札が働かない
自社で運用し、点検はツールに任せる担当者が兼任で、毎日は見られないツールの提案を判断する人は社内に要る
設定と計測だけ外部に頼む併用立ち上げに専門知識が要るが、日々は自社で回したい外部と社内の役割の分け目を決める

自社で運用する場合は、Google広告のスマート自動入札や、Meta広告の Advantage+ のような媒体の自動化を活かすと、手で細かく調整する作業を減らせます。ただし、自動化は成果(コンバージョン)のデータをもとに学習します。Google 広告ヘルプでは、スマート自動入札について、一定期間に一定数以上のコンバージョンがあることを推奨の条件として示しています。少額で成果の件数が少ない場合は、配信する語句や地域を絞る、成果の定義を見直すといった工夫が要ります。

少額で自社運用するときの基本の流れ

少額で自社運用するときは、計測を整え、狙いを絞り、点検を習慣にすることが基本です。

  1. 計測を整える
  2. 語句と地域を絞る
  3. 自動入札を使う
  4. 毎週点検する
  5. 月1回振り返る
少額の自社運用の基本の流れ

毎日やることは、配信が止まっていないか、予算を使いすぎていないかの確認だけで十分です。検索語句の確認と除外キーワードの追加、広告の入れ替えは、週に一度まとめて行います。兼任での回し方は「広告担当が兼任でも回る運用の仕組み」で詳しく扱っています。

インハウスマーケでできること

インハウスマーケのインハウスAIは、自社で広告を運用している会社向けのサービスです。Google広告・Meta広告を毎朝点検し、成果の急な変化、予算の消化ペース、成果の悪いキャンペーン、コンバージョンのない検索語句、止まった広告、広告の疲弊を見つけて、提案を Slack・Chatwork・Google Chat・メールに届けます。反映するのは承認したものだけで、勝手に広告を変えることはありません。料金は月5万円(税別)から、初期費用なし、最低1か月です。

よくある質問

Q. 広告費が少ないと、代理店に断られることはありますか?
あります。多くの代理店は最低手数料や最低の広告費を決めており、それを下回る場合は受けないことがあります。作業量に対して手数料が見合わないためで、断られた場合は、作業範囲を絞った依頼や、フリーランス・自社運用などの選択肢を比べてください。
Q. 月30万円の広告費で代理店に頼む意味はありますか?
頼む意味はあります。ただし、定率20%なら手数料は月6万円が目安で、その範囲でできる作業は限られます。何をどの頻度でしてもらえるかを事前に確かめ、期待と作業量を合わせることが大切です。
Q. 少額なら自社で運用した方がよいですか?
社内に週に数時間を広告に使える人がいて、成果の計測が整っているなら、自社運用は有力な選択肢です。時間がとれない場合は、設定と計測だけを外部に頼み、日々の点検は自社かツールで行う併用も選べます。
Q. 少額でも自動入札は使えますか?
使えます。ただし、Google広告のスマート自動入札は成果(コンバージョン)のデータをもとに学習するため、成果の件数が少ないと安定しにくくなります。成果の定義を見直して件数を確保する、配信する語句や地域を絞るといった工夫が要ります。

参考にした公式の情報

原田 真之

この記事の監修

原田 真之株式会社TUKURO 取締役

サイバーエージェントでインターネット広告事業に11年携わり、累計100社超のマーケティング戦略を立案。売上を最大20倍まで伸ばした実績を持つ。運用型広告の実務と、成果につながる設計を専門とする。

プロフィールを見る →
インハウスAI:広告運用に、AIの相棒を。

自社で広告を運用している会社へ

毎朝の広告チェックを、AIに任せませんか

インハウスAIが Google広告・Meta広告を毎朝点検し、ムダと今日やることをチャットに届けます。月5万円(税別)から・初期費用なし。

インハウスAIを見る

あわせて読みたい

代理店と手数料

広告代理店の手数料の相場は?20%の内訳と料金体系の違い

広告代理店の手数料(マージン)は、運用型広告では一般的に広告費の20%前後が目安です。定率・固定・成果報酬の違い、最低手数料で実質の料率が上がる仕組み、自社の手数料が高いかどうかの確かめ方をまとめます。

2026.10.18 更新・約5分

体制と人材

広告担当が兼任でも回る運用の仕組み|時間の配分と決めること

広告担当が兼任でも広告運用を回すための仕組みを解説します。毎日・毎週・毎月にやることの分け方、時間が限られる中で優先すること、手放してよい作業、判断の基準を決めておく方法、AIや外部の力を借りる範囲を整理します。

2026.10.18 更新・約6分

インハウス化の基本

広告運用は代理店とインハウスの併用でもよい?ハイブリッドの分け方

広告運用を代理店とインハウス(自社運用)で併用するハイブリッド型の分け方を解説します。戦略と作業、媒体、制作で分ける3つの型を比較し、向いている会社、手数料の考え方、うまくいかせるための決めごとを整理します。

2026.10.18 更新・約6分

AIと自動化

Google広告の自動入札の選び方|目標CPA・ROASと学習期間

Google広告の自動入札(スマート自動入札)の選び方を解説します。コンバージョン数の最大化・目標コンバージョン単価・コンバージョン値の最大化・目標広告費用対効果・クリック数の最大化の違い、学習期間の目安、切り替えるときの注意点を整理します。

2026.10.18 更新・約6分