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インハウス化の基本

広告運用のインハウス化の費用は?代理店とのコスト比較と計算方法

藤井 俊祐

監修 藤井 俊祐(株式会社TUKURO 代表取締役)

公開 2026.10.16/更新 2026.10.18・約6分で読めます

この記事の結論

広告運用のインハウス化の費用は、主に担当者の人件費・教育・ツール・制作・外部支援の合計です。代理店の手数料は一般的に広告費の20%前後が目安なので、年間の手数料と、インハウス化した場合の年間の費用を並べて比べます。広告費が大きいほど差が出やすく、小さい場合は代理店の方が安く済むこともあります。

インハウス化の費用は5つに分けて考えます

広告運用をインハウス化(内製化)したときの費用は、人件費・教育・ツール・制作・外部支援の5つに分けて考えます。代理店に払っていた手数料(マージン)が減る代わりに、これらの費用がかかります。

費用内容見積もりのポイント
人件費運用担当者の給与・社会保険料など専任か兼任か。兼任なら広告に使う時間の割合で按分する
採用・教育採用の費用、研修、書籍、外部の講座未経験者を育てる場合は、育成の期間も見込む
ツール分析・レポート・入札管理などのツール管理画面だけで足りるか、別のツールが要るか
制作広告文・バナー・動画・LP の制作代理店の手数料に含まれていたかを確かめる
外部支援伴走・研修・ツール型のインハウス支援、外部人材月額か都度か、最低契約期間

Google広告やMeta広告の管理画面を使うこと自体には、広告費のほかの利用料はかかりません。

代理店の費用を正しく出す

比べる前に、いまの代理店の費用を正しく出します。手数料だけでなく、ほかの名目で払っている費用も含めます。

20%前後

国内の広告代理店の運用手数料の一般的な目安

広告費に対する料率。最低手数料・制作費・初期費用の有無で実際の負担は変わります

国内の広告代理店の運用手数料は、一般的に広告費の20%前後が目安とされています。ただし、最低手数料が決まっている、制作費が別にかかる、初期費用がある、などの違いがあるため、請求書を12か月分並べて合計するのが確実です。相場の詳しい見方は「広告代理店の手数料の相場」で扱います。

代理店の費用確かめる場所
運用手数料請求書の明細、契約書の料率
最低手数料契約書(広告費が少ない月の扱い)
制作費請求書(別の名目になっていないか)
初期費用・レポート費契約書・見積書

比べ方の計算例

ここでは、比べ方を示すための計算例を挙げます。数字は仮に置いたもので、実際の金額は会社ごとに異なります。

前提(仮置き)

計算の流れ
  1. 1

    代理店の年間の手数料を出す

    3,600万円 × 20% = 720万円

  2. 2

    インハウス化した場合の年間の費用を出す

    700万円 + 120万円 = 820万円

  3. 3

    差を比べる

    この前提では、インハウス化の方が年100万円多い

この例では、専任を1人置くとインハウス化の方が費用が多くなります。一方、既存の社員が業務の半分の時間で担当できるなら、人件費は350万円として計算でき、合計は470万円になります。このように、人件費をどう見積もるかで結果が大きく変わるため、専任か兼任かを先に決めてから比べます。

広告費が月1,000万円(年1億2,000万円)なら、20%の手数料は年2,400万円になり、同じ体制でも差の出方が大きく変わります。

見落としやすい費用

計算で見落としやすいのは、次のような費用です。

費用を抑えながらインハウス化する方法

いきなり専任を採用しなくても、費用を抑えて始める方法があります。

  1. 判断だけ自社に移す:代理店に作業を任せたまま、予算と目標の判断を自社で行う(ハイブリッド型)
  2. 代理店の手数料を見直す:任せる範囲を狭め、手数料の仕組みを相談する
  3. 既存の社員が兼任で担当する:日々の確認の手間をツールで減らし、判断に時間を使う
  4. 外部の支援で育成の期間を短くする:伴走型の支援で、つまずきやすい所を先に避ける

広告費の規模ごとの考え方

費用の差の出方は、広告費の規模によって大きく変わります。次の表は、判断の向きを考えるための目安です。実際には、扱う媒体の数やクリエイティブの量によっても変わります。

月の広告費手数料の年額(20%の場合)考え方の目安
100万円前後約240万円専任を置くと費用が上回りやすい。兼任や代理店の継続も含めて比べる
300万〜500万円約720万〜1,200万円兼任か専任かで結論が分かれやすい。併用も有力な選択肢
1,000万円以上約2,400万円以上専任を置いても差が出やすい。体制づくりの期間を見込んで計画する

広告費が小さい会社では、無理に内製化するよりも、代理店のレポートを自社で読めるようにする、日々の確認だけ自社で持つ、といった小さな一歩の方が費用対効果が高いこともあります。

試算の前に確かめること

試算の数字がずれる原因の多くは、前提の置き方です。社内で試算する前に、次の点を確かめておきます。

インハウス化の費用を試算する前のチェック
  • 代理店の請求書を12か月分そろえ、手数料・制作費・初期費用を分けて合計したか
  • 担当者は専任か兼任か、兼任ならどれくらいの時間を広告に使えるかを決めたか
  • 人件費に社会保険料などの会社負担分を含めたか
  • 代理店の手数料に含まれていた制作やレポートを、インハウス化後に誰が担うかを決めたか
  • 並行運用の期間と、その間に重なる費用を見込んだか
  • 初年度だけでなく、2年目以降の費用も並べたか

経営に説明するときのまとめ方

試算ができたら、経営や上司に説明する資料にまとめます。費用の比較は、前提の置き方で結論が変わるため、数字だけでなく前提も一緒に示すことが大切です。

まず、いまの代理店の年間の費用と、インハウス化した場合の年間の費用を、初年度と2年目以降に分けて並べます。次に、専任と兼任など前提を変えた場合の結果を2〜3通り示し、どの前提ならどちらが安くなるかを見せます。最後に、費用以外の効果(判断の速さ、ノウハウが社内に残ること)と、リスク(担当者の退職、成果の一時的な揺れ)を書き添えます。

一つの数字だけで「下がる」「上がる」と言い切るよりも、条件ごとの幅で示した方が、経営としても判断しやすくなります。説明のあとで前提が変わった場合(担当者の採用ができなかった、広告費の計画が変わったなど)は、試算を更新して改めて共有します。

費用の比較でよくある失敗

費用の比較でつまずきやすいのは、次のような場面です。

インハウスマーケの料金

インハウスマーケは、TUKURO が第三者の立場でインハウス化を支援するサービスです。料金は次のとおりです(いずれも税別)。

サービス月額最低利用期間月の広告費の目安
インハウスAI5万円から1か月月100万円まで
インハウスプログラム10万円から3か月月100万〜1,000万円
インハウスコミット個別見積り2か月月1,000万円から

初期費用はかかりません。インハウスAIとインハウスプログラムは、月の広告費が100万円を超えた分の3%を加算します(例:広告費300万円なら6万円の加算)。いまの費用からの差の目安は、無料の簡易診断でお出しします。料金の詳細は料金ページをご覧ください。

よくある質問

Q. インハウス化するとどのくらい費用が下がりますか?
広告費の規模と、必要な人の数によって大きく変わります。年間の代理店の手数料と、インハウス化した場合の人件費・ツール・外部支援などの合計を並べて比べると、自社の場合の差がわかります。
Q. Google広告やMeta広告を自社で使うのに利用料はかかりますか?
広告の管理画面を使うこと自体に、広告費のほかの利用料はかかりません。費用がかかるのは、広告費そのものと、分析やレポートなどのために別に導入するツールです。
Q. 広告費が小さい会社でもインハウス化した方が安いですか?
一概には言えません。手数料の額が担当者の人件費を大きく下回る場合は、代理店に任せる方が安く済むこともあります。既存の社員が兼任で担当できるかどうかも、判断を左右します。
Q. インハウス化の初年度に費用が増えることはありますか?
あります。採用や教育、並行運用の期間は、代理店の手数料とインハウスの費用が重なるためです。比べるときは初年度だけでなく、2年目以降の費用も見ます。
藤井 俊祐

この記事の監修

藤井 俊祐株式会社TUKURO 代表取締役

サイバーエージェントで年間売上200億円規模の広告事業の部署を統括。デジタルマーケティングの経験は15年以上、累計100サービス以上を支援。いまは広告運用のインハウス化を第三者の立場で支援している。

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